番外編二本目 『雨の日はお化けが出るから』
諸星大二郎先生を知ったのはほんの一年や二年前なのだけれど、すっかり魅了されてしまった訳で。気が付けば『暗黒神話』が手元にあり、ついに今日は『雨の日はお化けが出るから』を買ってしまったのであった。
『サイコ工場Α線』・『(同)Ω線』の編集後記を読んでから意識するようになったことなのだけど、話の並び順と言うのは本当に読後の印象を左右するもので。
一本目の『闇綱祭り』、もう「お通し」とかそんな感じだ。「諸星大二郎と言ったらこう言うの読みたいだろ?」と見透かされたようだ。シリアスな話に始まり、コミカルな話だったりなんとも奇妙な話が続き、心は大いに揺さぶられる。
しかし、ラストに持ってこられた『河畔にて(全三話)』のお陰で穏やかな気持ちで本を閉じられる。
『映画大好きポンポさん』でも思ったのだけれど、編集作業と言うのはとても楽しいだろうなあ。
表題作である『雨の日はお化けが出るから』も諸星先生の味が存分に発揮されているが、僕はやっぱり『ゴジラを見た少年』に強く心を惹かれた。人によっては、とても憤りを感じる作品かも知れない。でも、僕もゴジラを見た、いや見るのだろうと思う。不穏でありながら、どこか暖かな予感があった。